内助の淫功  T
「ああ・・いいわ・・あなた・・」
寝室のベッドの上で露になった豊かな乳房を荒々しくもみしだかれ、甘い声を漏らしながら露香の手は夫達也の逞しい背中を優しく抱き締めながら怪しく流離う。
珍しく酒によって夜遅くに帰ってきた夫の達也が露香のベッドに侵入してくると、そのまま乱暴に妻の体を求めてきたのだった。

このところ二人の間の夫婦関係は疎遠になっており、一人寂しく自らを慰める夜もある露香であったが、何かと忙しい夫の姿を見ていると、とても露香からそれを求めることは出来なかった。
久し振りの夫の荒々しい愛撫に身を任せ、徐々に甘い世界に浸り始めた露香であったが、
「ああ・・だめだ・・ごめん・・」
やがて荒々しい愛撫は呆気なく終わりを告げ、露香の体を離れた達也はゴロンとベッドの上に体を横たえた。

「いいのよ・・あなたは疲れていらっしゃるから・・大丈夫よ無理しなくても・・」
夫に優しい言葉を掛けながら、どうしようもない空しさを感じつつ露香の指は薄っすらと濡れ始めて来た己の蜜壷を慰め始めていた。

やがて夫は軽い寝息を立てながら眠りについて行った。
「あなた・・ごめんなさいね・・あなた一人がこんなに頑張っていらっしゃるのに・・」
露香はぐっすりと寝入っている夫の寝顔を見つめながら心の中で手を合わせるのだった。

「そうだわ・・私に何かできる筈だわ・・この人の役に立てることがきっとあるはずだわ・」
露香は固い決意を固めたのであった。

ある球団間の合併問題に端を発したこのところのプロ野球界を取り巻く急激は選手会をも巻き込む大きな問題に発展していた。
選手会長である達也はそのオーナー達との交渉の矢面に立たされて厳しい毎日を送っていたのだった。

マスコミ出身の露香はその仕事の関係上から、各球団のオーナー達とのコネクションも持っていた。
「そうだわ・・私がお会いして・・あの人の苦しい立場をお話してみれば・・皆さんに解ってもらえるのではないかしら・・」
露香の頭の中では数人の実力あるオーナー達の顔が浮かんでいた。


始めに露香が狙いをつけたのは球界屈指の名門人気球団の名物オーナーの鍋田恒彦であった。
「相変わらず何時見てもお美しい・」
「オーナーもお元気で・・」
露香からのアポに鍋田は簡単に応じてくれた。
そしてゆっくり食事でもということになり赤坂の料亭で二人は久し振りの対面を果たし、和やかな雰囲気の中で会食は進んでいった。

「今回のことでは主人もずっと悩んでまして・・それで私の力で何とかならないものかと思いまして・・オーナーにご相談をと・・」
何とか話の流れを作りながら、やっとの思いで露香が核心に触れる話を切り出すと、
「そのことなら・・俺の力で何とか成らんこともないんだが・・・」
鍋田はいやらしい視線を露香に浴びせながら静かに立ち上がり露香の後に回り込むと、そのほっそりした肩に手を置きながら耳元で意味深な言葉を囁く。

「やはり・・いよいよ来るべき物が来たみたいだわ・・」
鍋田のその卑猥な囁きを聞き流しながら、露香は己の体を張ってまでも夫の為に役立とうと言う堅い決意を固めるのであった。

続く

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