真夜中の秘書室  T
「健介君・・・例のリスト出来るてるかしら?・・」
「はあ?・・・」
「はあ?じゃないでしょ・・先週頼んでおいたでしょ・・今度のパーティーの招待者リストよ・・」
「あっ・・しまった!・・」
上司の楚乃美にここまで言われて、健介は初めて自分が大きなミスをしでかしたことに気がついたのだった。

ここはアパレルメーカーW本社秘書室である。
定時を過ぎ、三々五々秘書室の社員達も退社していき、いつの間にか健介と楚乃美の二人切りになっていた。
「さあ、そろそろ俺も帰ろうとするか」
健介がそう思った矢先の出来事である。
これからアフターファイブでデートを楽しむ筈だった健介は、一気に天国から地獄に突き落とされる羽目となってしまった。
いや、実は大どんでん返しが待っており、最後には予想もしなかったような、とんでもない夢のような官能の世界に召されることとなるのであるが・・・。


秘書室長杉山楚乃美34歳で既婚、女優戸田菜穂に似たスリムで知的な美人妻で、タイトのミニスカートにハイヒール姿で小ぶりの引き締まったヒップを左右にくねらせながら社内を颯爽と闊歩するその妖艶な後姿は社内の男達のスケベ心をそそっているのだった。
入社三年目の駄目社員の健介もそんな一人のうちで、日頃から上司楚乃美の後ろ姿に瞑想を抱いては楽しんでいた。

実はW社の創立記念日が近づいてきており、そのパーティーへの招待者リストの作成期日が明日なのである。
そのことを健介はすっかり忘れていたのだ。

「どうするのよ・・明日の役員会で承認を貰わなければならないのよ・・」
戸田菜穂に似たツンと澄ました冷たい表情で睨み付けられ、健介は言葉を無く楚乃美の前で立ち尽くすしかなかった。

無言のままの気まずい時間が流れたのであるが、
「もう・・しょうがないわ・・私も手伝うから・・明日までに何とかしましょ・・今夜は遅くなるわよ・・」
「・・ハイ・・」
楚乃美の言葉に健介は救われた気持ちになって胸を撫で下ろすのであったが、方や楚乃美はと言うと、この出来の悪い部下を持った運命だと半ば諦めの心境になっていた。
事実、今までも健介のミスには何度も泣かされ続けてきたのだが、何故か憎めないところが健介には在った。
案外世の中の才色兼備な女性には、ダメ男に何処か気持ちが惹かれるところがあるのかも知れない。
これも一種の癒し効果なのかも知れない。

「でも・・遅くなっても・ご主人は大丈夫ですか?・・・」
「そうね・・離婚されちゃかもね・・そうなったら健介君に責任採って貰おうかな・・・」
楚乃美は戸田菜穂に似た上品な顔に微かな笑みを浮かべながら、健介の目を見つめ返してきた。
「・・ええっ・・も・勿論・・そうなったら・・お・俺・喜んで責任取りますよ・・」
その色っぽい視線にハートのど真ん中を射抜かれてしまった健介はただドギマキするばかりであったが、その姿が楚乃美には何故か可愛く映るのだった。
「うふふ・・じゃ安心だわ・・お願いね・・」
「・・ハイ・・・」
こうして夜の秘書室という密室の中で、二人だけで時間を過ごすこととなったのだった。


夜の秘書室と言う空間の中に自分と楚乃美の二人だけだと思うだけで、健介はある種の興奮状態に置かれていた。
しかも周りの他人の視線を気にする事無く、思う存分に楚乃美が忙しく立ち振る舞う姿を目で楽しむことが出来るのだ。
特にそのタイトスカートに包み込まれたヒップの動きに視線が釘付けとなっていた。


「どう・・進んでるかな?・・・」
デスクに座りパソコンに向かう健介の後ろから楚乃美が覗き込むようにして体を寄せてきた。
彼女の上品な香水の香りと熟れた人妻のメスの臭いが微妙に絡み合いながら健介のオスの臭覚を刺激してくる。
しかも彼女の小ぶりの乳房が健介の背中に押し付けられる感触を微かに感じ取れるのである。

「は・はい・・何とか・・」
モニターを食い入りように見つめる健介の下半身はこの時既にゆっくりと反応し始めていたのだった。

その時、事件が起こった。
「はい・コーヒー・・」
「あ・・熱い・・」
「あ・あ・・ごめんなさい・・」
な・何と楚乃美が手に持っていたコーヒーカップが健介の股間を直撃してしまったのだ。

「ごめんなさい・・ああ・・とりあえず・・ズボン脱いで・・」
「・・いぇ・・大丈夫です・・」
「ああ・だめよ・・大事なところを焼けどしていたら・・一大事だわ・・」
ティッシュを取り出すと、ズボンの上から局部を・・・。
「あら・・やだ・・健介君たら・・ウフフ・」
上目使いに健介を見上げる楚乃美の表情には微かに卑猥な笑みがこぼれていた。


続く

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