ダイナマイトバディ乱舞 T
「いらっしゃいませ」
T社の商談室の受け付けを訪れた庫之助を、山田優に似た綺麗な顔に満面の笑みを湛えた山之内舞が迎えてくれた。
「日向常務をお願いします」
「承っております・・こちらへどうぞ」
スクっと立ち上がると、舞は倉之助の前に立ち、商談室へと案内して歩き出す。

170センチ程の長身でキリっと引き締まり、それでいて出るところにはしっかりと肉が付いた、モデル並に均整の取れたその後姿には、ついつい視線が釘つけになってしまいそうだ。
特にタイトスカートが張り付いたヒップラインが艶かしく左右に揺れる姿は、当に垂涎ものだ。
しかも今日は何故か一段と色っぽく感じられたのだった。

「暫くお見かけしませんでしたが・・」
一瞬躊躇したものの、倉之助は前を歩く山之内舞に声を掛けた。
「実は結婚いたしまして・それで暫くお休みを頂いておりましたので・・」
振り向きながら、舞は嬉しそうに答えた。

「こちらで御待ちください」
商談室の中に通された倉之助はソファーに腰を降ろし、ポケットから煙草を取り出し、
「彼女・・結婚したのか・道理で何だか色っぽくなったはずだ・・」
ゆっくりと燻らせながら舞の姿を瞑想するのだった。

「失礼します」
再び舞がお茶を運んで部屋の中に入ってきた。
「常務は暫く御待ち頂きく様に申しておりますので・・」
舞は申し訳なさそうな表情で一声を残して、部屋から出て行こうとした。

「結婚なさるなら、一言、声を掛けて下されば・・何かお祝いを差し上げたのに・・残念だな・・」
思わぬ倉之助の言葉に、舞は一瞬躊躇したものの、
「ありがとうございます・・ご心配をお掛けしてはと思いまして・・どなた様にも・・」
舞は申し訳なさそうにその大きな体を小さく屈めるようにして頭を下げた。

「もし良ければ・お祝いに・・何か美味しい食事でもご馳走したいものですな・・」
冗談半分、社交辞令半分の積りではあったが、極々自然な感じで倉之助は誘いの言葉を口にした。

「エエッ・・本当ですか・・嬉しいわ・・専務さんにお誘い頂けるなんて・・」」
驚いたことに、舞はまるで無邪気な少女の様に、その見事な体全体で喜びを表わすのだった。

思わぬ舞の反応に、倉之助は一瞬戸惑ったものの、直ぐに気を取り直すと、
「ご都合の良い日を決めて連絡頂ければ・・美味しいお店にお連れしますよ・・ううん・・何がいいかな?」
話をしているうちに、倉之助は青年時代にタイムスリップしたかの様に、徐々に心がうきうきして来るを禁じえなかった。

「解りました・・こちらから連絡を入れさせて頂きます・・」
嬉しそうな笑みを絶やすことなく倉之助を見つめながら、舞はドアを閉めて室外へと出て行くのだった。

「やあ・お待たせしまして・・」
やがて日向常務が現れたのだが、舞の言葉が倉之助の頭から離れることが無く、その後は上の空で商談をすることとなったのである。

そして翌日からは、
「まさか・・本当に・・連絡してくることは無いだろう・・・・」
半信半疑ながらも、山田優に似た新妻舞のダイナマイトバディを思い浮かべながら、微かな淡い期待を持ち続けた倉之助であった。

「今週の金曜日の夜では如何でしょうか?」
そして数日後、なんと本当に舞から連絡が入ったのだ。
「おお・・来たぞ!・・どうする?・・どこにする?・・ううん?・・フランス料理か?それとも・・・」
倉之助は、まるで動物園の熊の様に室内をウロウロしながら、如何にして舞を喜ばせてやろうかと、あれこれと頭を巡らせ始めるのであった。

そして、いよいよその運命の金曜日の夜が・・・・。

続く

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