蟻地獄に喘ぐ貞淑妻 (U)
「久し振りに同級生で集まることになったの・・」
その週末の午後、秋絵は嘘を付いて夫に子供を預け、綺麗に着飾って出かけることにした。
「いいよ・いいよ・今日は子供の面倒は俺が見てるからさ・・偶には羽を伸ばして来いよ・・滅多に無いことなんだから・・」
人の良い夫は全く疑うことも無く、機嫌よく秋絵を送り出してくれた。
「ごめんなさい・・あなた・・でも・・お食事するだけだから・・」
そんな夫の優しい態度に触れ心苦しさを感じる秋絵であったが、片や心の半分では、これから何かを期待している、一人の女としての秋絵が存在していたのだった。

そして、数時間後、とある一流ホテルの夜景が綺麗なレストランで美味しい食事を味わい、その後は地下のお洒落な落ち着いた雰囲気のバーのカウンターに男と二人並んでカクテルを味わいという、久し振りに独身時代にタイムスリップしたかのような魅惑の一時を過ごしている秋絵の姿があった。
その間ずっと、冨樫哲也は紳士的に振る舞い、ついついハイテンションになり、興奮気味に話す秋絵のオシャベリに上手く話を合わせてくれるのだった。

「今夜の奥さん・・本当に綺麗ですよ・・素敵だな・・」
「いやだ・・そんな・・お世辞言わないで下さい・」
この頃になると、いつしか秋絵はまるで憧れの渡瀬恒彦とデートを楽しんでいるかのような錯覚に陥り初めており、二人だけの甘い世界に溺れ始めていた。
そして、家で子供の面倒を見ながら秋絵の帰りで待っているであろう夫や可愛い子供達の存在すら希薄な物になってしまっていたのだった。

「そろそろ・・場所を代えようか・・未だ・良いんだろ?・・・」
「ええ・・大丈夫です・・」
バーを後にした二人は、あたかもそれが当然であるがの如くに、ホテルの一室へと消えていったのだった。

先にシャワーを浴びた秋絵は、まるで純真な処女の乙女の如く、ベッドに潜り込み頭からシーツを被った姿で哲也が現れるのを持つのであった。
その間、
「今夜だけだから・・一回限りだから・」
何度も何度も自分に言い聞かせる秋絵であった。
又、それは家で子供の面倒を見ながら秋絵の帰りを待つ、疑うことを知らない人の良い心優しい夫に対して許しを請う言葉でもあった。
そして、これから訪れるであろう哲也との激しい情事を想像するだけで、秋絵の秘貝は潤い初めて来つつあった。

やがて、シャワーを浴びた哲也がベッドルームに入ってきた気配を感じ取り、恐る恐るシーツの下からそっと覗き込んだ秋絵の目に、なんと、哲也の背中一面に描かれた見事な刺青が飛び込んできたのだ。

「ああ・・そんな馬鹿な・・」
これから訪れるであろう哲也との甘い一時を夢見ていた秋絵であったが、一転一気に地獄の底までに突き落とされたような大きなショックに見舞われ、火照り始めた熟れた体を凍りつかせる秋絵であった。

「驚かせてしまったようですね・・大丈夫ですよ・・心配しなくても・・悪い様にはしませんから・・・・」
ベッドに潜り込んできた哲也は秋絵の耳元で優しい言葉を呟くと、ショックの余りに体を震わせ強張らせている秋絵を優しく抱き締める。
「本当ですか・・本当に?・・じゃ・・一度だけ・・今夜だけに・・して・・」
恐怖と官能の間で弱弱しく彷徨っていた秋絵であったが、やがて何かに背中を押される感じで哲也の逞しい胸に顔を埋めるのであった。

しかしながら・・・・。

続く

人妻官能小説TOP


Copyright(C)2004−2006 HITOZUMAJYOHOSYA All Rights Reserved

人妻官能小説館